「デポプロベラ注射」における避妊ついて

「デポプロベラ」は注射の形態でプロゲスチン(プロゲステロンに似た物質)を投与する避妊方法です。3ヶ月に1回の注射で避妊効果が続くのが利点です。避妊効果はピルを正しく服用した場合とほぼ同等です。しかし残念なことに日本では認可されていません。

デポプロベラとは

避妊方法の一つで、通常筋肉注射か皮下注射の形で投与します。日本では認可されていませんが、海外では世界保健機構医薬品モデル・リストに掲載されており、最も効果的で安全とされる薬剤です。

避妊確率はピルと同等の99.7%を誇ります。黄体ホルモン単体の薬剤で、卵胞ホルモン(エストロゲン)」は含まれていません。黄体ホルモンには「メドロキシプロゲステロン酢酸エステル」が採用されています。

卵胞ホルモンを使わないので「血栓症」などのリスクがありません。

しかし一番の利点は何と言っても「3ヶ月に1回」の投与で避妊が成立することです。ピルのように毎日飲むという煩わしさとは無縁です。

2015年の米国では一投与にかかる費用は25ドル以下です。

海外では数百万人の女性が利用していると言われていますが、日本は避妊最後進国です。アフターピルの市販化でさえ認められていません。女性の避妊法の選択肢を狭めるという意味で日本政府は責められるべきことを行っている、あるいは選択肢を広げるということに対し怠慢です。

参照:メドロキシプロゲステロン酢酸エステル – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%B3%E9%85%A2%E9%85%B8%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB

参照:ホルモン剤による避妊法 – 22. 女性の健康上の問題 – MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/22-%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E5%AE%B6%E6%97%8F%E8%A8%88%E7%94%BB/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E5%89%A4%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E9%81%BF%E5%A6%8A%E6%B3%95


デポプロベラ(避妊注射)のメリット

デポプロベラのメリットは以下の3つです

 ピルに匹敵する妊娠阻止率がある
 3ヶ月に1度の注射で避妊効果が続く
 エストロゲンを使っていないため血栓症のリスクがない

ピルに匹敵する妊娠阻止率というのは安心ができます。しかもそれはピルを(飲み忘れたりせずに)理想的に運用した場合と同率ということで、実質ピル以上だといえます。

それに関連してですが、毎日服用というアクションが要るピルと比べて3ヶ月に1度の注射で済むというのはわずらわしさを大幅に軽減できるということとともに、飲み忘れのようなトラブルの心配がないということでもあります。

そして、エストロゲン(卵胞ホルモン)を含有していないため「血栓症」のリスクを高めることがありません。これは喫煙者でも使えるということをも意味します。

・・・これらの優れた点がある反面、デポプロベラにはさまざまな副作用もあります。

デポプロベラ(避妊注射)のデメリット

デポプロベラのデメリットは以下のようなものです。

 不正出血もしくは無月経
 骨密度の低下
 体重の増加
 うつ傾向になる場合がある
 性欲がなくなる場合がある

不正出血もしくは無月経

月11日以上の不正出血がみられる場合があります。続けていくうちに不正出血は少なくなりますが、かなり長期間続くことがあるので「飲み始めの副作用」では済まないレベルの人もおり、これは問題点の一つと言えるでしょう。

逆に注射後から数ヶ月月経がなくなる場合もあります。これは悪いことではないかもしれませんが、注射を止めてから月経周期が半年以内に正常範囲に戻るのは50%で、妊娠できるような状態に戻るには最長1年半かかります。ピルではもっと早く正常に戻ります。

骨密度の低下

注射をしている期間は骨密度が低下します。やめれば元に戻るのですが、期間中カルシウムとビタミンDはサプリメントなどで十分に補う必要があります。

体重の増加

ピルでは一時的にむくみが起こったり、体調が良くなった結果食欲が増しカロリーオーバーになるということもなくはありませんが、そう大きな問題になることはありません。

しかしデポプロベラでは明らかな体重増加作用があり、最初の1年間で2~4㎏、その後も増加する可能性があります。極端な例では30㎏近く増えることもあると言われています。

これには厳密なカロリーコントロールを行って対処する必要があります。食品のカロリーを知ることと、Excelなどでカロリー摂取量を管理する必要があります。

一方で必要な栄養素を十分に摂らなければなりません。ある程度までならサプリメント(特にビタミン・ミネラルなどの微量栄養素)を補給することはできますが、タンパク質など食品から継続して十分な量を摂らなければならないものがありますので、栄養学の基礎的知識も必要になってきます。

運動も効果的ですが、まず食生活にストイックになる必要があります。

うつ傾向になる場合がある

ホルモンが乱れたり変容したりすると、精神的に不安定になることは一般的にあることです。しかしデポプロベラではそれが強く出る人もあり、少々厄介な問題となります。

メンタルの安定というのは人間生活の中でかなり重要度の高い問題であるので、この際はデポプロベラを止めることも考慮に入れるべきでしょう。

そうでないなら、心療内科や精神科にかかる必要があるかもしれません。

性欲がなくなる場合がある

性欲減退、あるいは全く性欲がなくなってしまう人もいます。これでは避妊薬を使う意味がありませんので、他の避妊法に切り替えた方が良いかと思います。

「ルネル」という避妊注射

2000年10月にアメリカのFDAから認可が下りた「ルネル」という避妊注射があります。これは1ヶ月に1回注射しなければならないのですが、プロゲスチンとともにエストロゲン(卵胞ホルモン)も含有しており、骨がもろくなるなどの副作用がありません。

アメリカでは一定の人気のある避妊方法であるようです。

まとめ

やはり、毎日ピルを飲むというのは大変です。ピルは非常にデリケートな薬で、飲み忘れが厳禁である他、飲む時間帯も一定にしなければなりません。

ピルの避妊効果が高いというのは、あくまで飲み忘れなく正しく服用した場合ですので、3ヶ月に1度の注射で済み間違いがないというのは魅力的です。喫煙する方にも向いています。

しかし副作用もかなり強いようです。特に体重の増加、性欲の減退が起こったならこの方法は止めたほうがいいかもしれません。精神症状もそうです。

ともあれ、日本では選択肢に入っていませんので、未出産の女性は「ピル」で、出産経験がある人は「ピル」か「IUS(ミレーナ)」で避妊するのが現実的であるといえます。

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