「避妊パッチ」は原理的には「ピル」と同じです

腕などに張り付けて避妊効果を出す貼り薬を「避妊パッチ」といいます。ピルは毎日決まった時間に忘れずに飲むことが求められますが、パッチは1週間に1度張り替えるだけで効果が得られます。薬としての効果はピルと同等です。ただ、日本では避妊目的のパッチ剤はありません。

避妊パッチとは

避妊パッチとは、腕などに張り付けて薬効成分を経皮から血中に取り込み、避妊効果を得る避妊薬です。

成分は内服避妊薬である「ピル」と同じ「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」です。ピルは口から飲んで血中に成分を取り入れる方法で、パッチは皮膚から血中に成分を取り込むというわけです。

ピルは毎日決まった時間帯に忘れずに毎日服用する必要がありますが、パッチは1週間ごとに取り換えれば済みます。1週間に1枚、3週間貼り続けて1週間休む。この休んでいる(張らないでいる)1週間に生理、正しくは消退出血が起こります。これもピルと同じです。

2001年に米国で承認されました。しかし日本では更年期障害対策としてのパッチ(シール)剤はありますが、避妊用途のものはありません。

作用機序

これもピルと同様です。排卵をストップし、子宮内膜の成長を抑え、子宮頸部の粘性を高めて、三段構えで妊娠を阻止します。

副作用

血中に女性ホルモンを取り込むわけですから、副作用もピル同様起こり得ます。使用を始めてから1~3ヶ月は「むくみ」「吐き気」「頭痛」「不正出血」「乳房の張り」などの副作用が起きるかもしれませんし、「血栓症」のリスクもあります。

血栓症は非常に稀な症状で、ピルの内服やパッチ剤を使うだけでは確率がわずかに上がるだけですが、「喫煙」が加わると発症率が劇的に上がりますので、原則禁煙です。もしどうしても喫煙したいのならIUS(ミレーナ)などの子宮内部に埋め込む避妊具が適しています。ただこれは出産経験のない人にはあまり向きません。

また、血栓症は「高年齢」「肥満」である人も確率が上がりますので注意が必要です。


どっちがわすれにくいか

避妊パッチは1週間に1度張り替えれば済むので、毎日飲むピルより手間がかからないのは事実です。しかし、忘れにくさについては疑問が残ります。

毎日ピルを飲む習慣より1週間に1度張り替えることの方が間違いが起こりやすくなる可能性もあります。ピルでも休薬期間の替わりにプラセボ(偽薬)をわざわざ用意する場合があるくらいで、間欠的に張り替えるというのは場合によってはミスが起こりやすくなるとも考えられます。どちらが誤りなく続けられるかは簡単には分からないことです。

ただ、米食品医薬品局(FDA)は、ピルを忘れずに飲む女性が80%であるのに対し、パッチを毎週忘れずに張り替えた女性は90%と言われており、統計上はむしろピルより適正に使えるということになっているようです。

パッチを張る位置

上半身、下腹部、臀部のいずれかに貼り(乳房はNG)、毎回はる個所を変える必要があります。耐水性には優れており、シャワーや入浴はもちろん大丈夫です。ただし肌が敏感な方は肌荒れを起こす可能性はあります。

入手方法

残念ながら現在は日本では認可されていません。個人輸入代行のサイトで手に入れるしかないのですが、個人輸入代行は偽物や成分量に問題のあるものが横行している状態です。避妊は失敗が許されないことですので、現段階ではこの方法は採らない方が賢明です。

まとめ

避妊でも何でも、受け手側の選択肢が増えることは良いことです。避妊パッチがベストな避妊法かどうかは一概には言えませんが、日本でも認可されることを強く望みます。

現状国内で信頼できる避妊法は「ピル」「IUS(ミレーナ)」「卵管結紮」の3択です。「コンドーム」は意外と失敗率が高いため、そして卵管結紮は基本的に再び妊娠する状態に戻すことは困難なので、「ピル」か「IUS(ミレーナ)」のどちらかになってきます。

「IUS(ミレーナ)」は出産経験がないと使いづらい面がありますので、一番無難で安全性の高いピルを「飲み忘れなく正しく飲む」のがベストチョイスと言えるかもしれません。

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